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10月

10月に入ったとたん、街のなかに赤みがかったオレンジ色があふれ出した。ハロウィーンなんて、10年前にはほとんど認知されていなかったお祭りなのに、ここ数年はすっかり商業主義に担ぎ上げられて、10月の顔になってしまった。

思えばあのカボチャで作るランタンの存在を知ったのは、うんとうんと幼かった頃、父が海外で買い求めてきた幼児用のアルファベットの本の挿絵でだった。APPLEにはリンゴの絵、Bにはミツバチの絵が描かれ、英語なんか知らなくっても絵でそれがなんであるか理解できたのだけれど、これは何だ?と首を傾げた挿絵が「H」の頁のへんな顔したカボチャの絵と、「V」の頁の綺麗なハートの絵だった。父に多分聞いたのだと思うけれど、その説明は理解できなかったと思う。やはり異国のお祭りや習慣は、その地にいない限り子供には想像不可である。

で、次にハロウィーンに出会ったのは、中学生の頃のチャーリーブラウン&スヌーピーのマンガ本「ピーナッツ」で、毛布を肌身離さず持ち歩くライナスが真っ暗なカボチャ畑でカボチャ大王を待ち続ける話だった。秋の夜の寒さと暗さ、ひとりでカボチャ畑でカボチャ大王を待つ、というシュチュエーションはクリスマスのバカ陽気さとはちがう、ひんやりとした空気感を持っていた。

そのハロウィーンのひんやりとした暗さは、その次に出会ったレイ・ブラッドベリの「何かが道をやってくる」で決定的になった。(これはブラッドベリの作品の中でも特に好き。未読の方は是非どうぞ。特に(かつての、も含む)少年少女諸君、オススメです。)

ハロウィーンにはクリスマスや日本の正しい秋の神社のお祭りとはちがう、もっと土俗的な暗い色調のお祭りだったはず。それが・・・なんだかねぇ、商業主義は表面的な(否、ディズニー的な?)陰もなんにもない、子供のお祭りにしちゃったようだ。というか、もともとそのお祭りの背景をもたない国に、「ハロウィーン」というラベルを持ってきちゃったわけだから、そのラベルに合わせて、とりあえず、日本的に解釈して消化したのが今の形なんだと思う。

つまり日本ではハロウィーンは「収穫のお祭り」の変形バージョンとして受け入れられてのではなかろうか?骸骨の格好とかはNGかもしれないが、カボチャは「仲良きことは美しき哉」という言葉付きでかの武者小路実篤先生も色紙に書いていらっしゃるくらい馴染みがあるし、秋に収穫されるし、加工もきくし、とりあえず「ハロウィーンはカボチャ祭り」ってことでどうだろう?みたいな話がどこかで交わされたような気がする。で、下地が出来たところで、ディズニーあたりのカボチャキャラが巷にあふれ出したここ数年、ってところが真相だと私は踏んでいるのですが・・・。

ええっと、ものすごく長い前置きになりました。10月の焼き菓子倶楽部はそんなわけでアンチ和製ハロウィーン派による「タルト・ポティロン(カボチャのタルト)」です。

Pump2

水っぽいカボチャのパイなんぞキライだ!と思い込んでいた私のところに2年ほど前、カボチャが大好き!というお客様からカボチャのお菓子を、というリクエストを受けて、それならばと作ったのがこのタルトです。カボチャを煮て水分を飛ばしたペーストにアーモンドクリームと漬け込みフルーツ、ナッツなんかを入れて作りました。で、私も食べてみたら美味かった♪というタルトです。

アンチ巨人ファンと同じく、まずは「和製ハロウィーン」の存在があってこそ、生まれたお菓子であります。

今年初めてディズニーシーがハロウィーンをやるんだってね、っていう会話を聞きながら、大人はブラッドベリの小説を読みつつ、濃い珈琲をマグカップに注ぎ、もしくはブランデーを垂らした熱い紅茶を用意して、このタルトを食べて秋の夜長を楽しんでください。

あ、珈琲をポットに入れて、毛布を片手にカボチャ畑でカボチャ大王を待つ方にも、お夜食として持たしてあげてくださいね。

ちなみに締め切りは10日で~す。

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コメント

ハロウィーンで盛り上がるより、
もっと「中秋の名月」で盛り上がらないかなぁ・・
その頃になると、街中、白と黒と黄色で飾るとか。
ウサギをいっぱい飾るとか。
みんなでバニーの耳をつけて踊るとか。

ハロウィーンを初めてちゃんと意識したのは映画ETでした。
これが本物のハロウィーンなんだ!って感激したけど
意外にみんなチープなコスプレで笑えました。


除夜の鐘のおごそかさはいつの間にかカウントダウンに取って代わられ存在が薄くなり、文化も知らず信仰もなくクリスマスだ、バレンタインだ、ハロウィンだと商売に乗っけられてお祭り騒ぎをするのはどうか?と思いますが、これも消費拡大景気回復につながるならば許せるってもんでしょう。???

ちなみにわが家ではハロウィンのハの字もありませぬ。

と、前置きがながくなりましたが、カボチャ、カボチャと記事を見ていたらパンプキンプディングが食べたくなりました。

ハロウィーン…私にとっては、「サン・ジョルディの日」と同じくらい馴染みにくい舶来行事です。

武者小路実篤センセのかぼちゃ!なるほどです。(一説によると、センセは息子さんの飲み屋のツケを清算するために、色紙や掛け軸を量産なさったとも)

あと、冬至のカボチャとか初午も影響しているのかな?
どことなく「お盆」ぽい感じもするし、洋の東西時代を問わず、人間の感覚って根本はそんなに変わらないのかも知れないですね。

coldsweats02サンジョルディーの日・・
すごい。笑った。どこいったんでしょう?

>hirorin

仲秋の名月はきっとそれなりに盛り上がっていると思うのよ。うちのほう、河原でススキを刈ってる人を毎年見るもの。ただ、白いお団子と里芋というところが、食べ物関係では弱いのよね。中華街では月餅で盛り上がれるけどね。
バニーちゃんが集団でススキをもって踊ってくれると良いのだけど。
hirorin、踊って!

>akikoさん

ふつうのおうちでは「ハロウィーン」の「ハ」の字もないのが当たり前だし、多分「ボジョレーヌーボー」の「ボ」の字もないのよん。
akiko家では秋といったら「日本酒の日」と「ボジョレーヌーボーの日」が代表とされるわけだわね。(笑)

>さばさん


どこへ行ったのか「サン・ジョルディの日」!
そりゃあ、日本書店組合連合会さんのアピール不足というか、途中で投げ出しちゃったのがまずかったのでしょう。(もしくはディズニーを取り込めなかったことが敗因か?)

私的には全然日本の世間では知られていない「日本26聖人の日」が、いまだに「おおし~くも潔~く♪」という歌とともに染み付いてしまって、愛着があります。

>hirorin

うふふ・・・さばさんは書籍関係のお仕事だから覚えていたんでしょ。hirorinこそ、よく覚えていましたねぇ。
私は完全に忘れてました。

ワタシもハロウィンといえばsnoopy&PEANUTSです。
中学生の時、あの漫画で英語を学んでおけばもすこしどおにかなったかなあと思ったりします。PEANUTSを「ペアンツ」と読んでいた時点でアウトです。

とあるところから、ハロウィンパーティのお誘いを受けました。
招待状に「お好きな格好に仮装してご参加ください」と書いてあります。
ええ、丁重にお断りしましたとも。
だって衣装持ってないしぃ(そういう問題か・・・)

来年は早めににっきさんにコスチュームデザイン考えてもらおう。
牡丹燈籠や四谷怪談な感じでお願いします。
やっぱり「和」でいかないと!!

>さんぱちさん

あら、もったいない!仮装パーティーに行けば良いのに~。
衣装なら、姪っ子のセーラー服をお貸ししましたのに。

この年でセーラー服・・・。
お岩さんよりこわいかもしれない。

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