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書籍・雑誌

本&最近作った菓子等

最近読んだ本で良かったのと、ちょっとなぁ~な本の話。

ちょっとなぁ~は久しぶりに手に取った吉本ばななの小説。読売新聞に連載されていた「もしもし下北沢」で、大変読みやすくスラスラと読めましたが、結末がどうもなぁ~で、結局良質な恋愛小説であるけれど、「キッチン」の頃からずいぶんと年数が経ったのに、変わらないねぇの一言です。

岩舘真理子のマンガに出てくる、若くて細くて髪が長くて、育ちの良い繊細な女の子が主人公と思っていただければ、そのままズバリな主人公。吉本さんがお金持ちでもなんでもない、普通の中肉中背のぱっとしない、若くもない、ずぶとい女性が主人公の恋愛小説を書いたらまた読んでも良いけど、いつまでたっても「キッチン」の世界感から抜け出ていないのなら、いい歳の大人が読まんでも良いな、と言うのが正直な感想です。読みやすいだけに読んだ後、読まんでも良かった・・・と残念な気分。(いい年でこんなの買うなよ、と自己嫌悪。)

読んで、楽しかったのが映画にもなった「天地明察」(沖方 丁・角川文庫)

碁打ちの家柄に生まれながら算学の才能(当時としては世間的に評価される才能ではなかったらしい)があり、そこを見込まれて改暦という大事業に携わっていく、という内容なんだけど、これは上下2巻にわたる長編にもかかわらず、おもしろくてどんどこ読み進められます。通勤電車の友としてオススメ。読んでから羊と「映画もみたいよね」と話していたのですが、読んでから映画を見ちゃうとがっかりすることも良くあるので、映画のキャストを頭におきながら読むのが楽しいかも。本屋大賞に選ばれたのもよくわかるよね。読んで損は無いです。

あと、読んで損はないのが池井戸 潤の「不祥事」(講談社文庫)。

銀行を舞台にした金融小説、といったら堅そうにおもうけれど、これはしっかりエンターテイメントになっていて楽しい。なんの肩書もない女子行員が大活躍!というだけでも痛快で楽しいけれど、ベースにあるのは「働くってことは」という労働に関するしっかりした視点があるからで、ロードークミアイセンジューショキとしては深く共感するものであります。ちなみに百貨店業界から昨今、役職定年後の銀行への出向というケースが出てきていて、そういう意味でも「銀行の支店って?」という興味もあり、読んで良かった・・と思いました。「働くってわるくないよね」って思える小説です。

あとバラバラと乱読してましたが、あまりお金もないので、古い本を本箱から出して読み直したりが多かったので改めて本の話ってするほどのこともないです。備忘録として上の三冊をあげておきます。吉本ばななさんのファンの人、ごめんなさい。単に私にはもう必要ないや、って思えただけです。

さて、最近つくっていたお菓子をまとめてUPしておきます。

マリエンホーフのブラッディオレンジのリキュールを使った「ビクトリア」

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秋バージョンとしてお作りしました。

洋梨のムース

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で、余った洋梨を使って自家用に焼いた洋梨のタルト

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焼き菓子3種

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りんごのムース(試作)

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ローゼンリケール&ライチのムース

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そのほか、レッスンでもいろいろ作っておりました。

今週もまた、綺麗なお菓子を作る予定でいます。

画像たまったらまた、まとめてUPしますね。

7月の読書

立秋を過ぎたのに、ちゃんとした夏が来ないなぁ。夏休みの子供達も不完全燃焼なんじゃぁないかしら。楽しい夏が来ないうちに、宿題の締め切りが迫る!ああ(嘆)

夏休みの宿題の定番といえば「読書感想文」。その本選びの参考になるかもしれない本に出会いました。ええ、新聞広告という渋い媒体で。7月の読書はこの1冊です。

「先生、シマリスがヘビの頭をかじっています!」(「鳥取環境大学」の森の人間動物行動学) 小林朋道 著 築地書館 

なにしろ、このタイトルのつけ方がイイ!「つかみ」がばっちりだね。実演販売のおじさんが、エスカレーターで通り過ぎようとするお客さんを立ち止まらせる魔法の一言くらいのインパクトがある。これにうちの羊がひっかかりました。

「ノリちゃん、変な本が出てる~!」と朝刊1面の書籍広告を見て、このタイトルだけで笑っておりました。ちなみに朝刊1面の書籍広告って、実におもしろいんですよ。変な本の広告がいっぱい載ってる。

さて、これは鳥取環境大学の教授で「動物行動学、人間比較行動学」を専門とし、大学内の「ヤギ部」(学内で3匹のヤギを飼育するサークルです。ここのHPを是非!)顧問を務めるコバヤシ氏が、学内でおこる(もしくは氏がおこす)動物・学生との騒動を、人間動物行動学という視点から描いたものです。けっして動物行動学の学術書ではありません。肩の力を抜いてワハハと笑いながら、それでいて「人間の行動や社会の仕組みにも、動物としてのホモサピエンスの習性が残っているんだ」ということがわかります。氏の考えは、そんなふうに人間は背景にホモサピエンスという動物の習性を背負っているわけで、そのホモサピエンスが進化した当時の環境、自然を現代社会に取り入れることで、人の中にあるホモサピエンスたる部分(無意識の領域かもね)が充足し、精神的に豊かになれるのだ、ということのようです。(多分・・・間違ってないと思うのヨ)

そうした氏の考え方が良く読み取れるのは「都市にあふれるスプレーの落書き」と「狸の溜め糞」の類似性を示唆した「駅前に残された、“ニオイづけ”はタヌキの溜め糞?」の項であり、駅前の繁華街に生息する"草食動物のレプリカ”と神社に生息する"石細工の肉食動物”達が意味することを読み解く「「駅前広場にヤギをはなしませんか」の項だったりするわけです。

ま、そんな難しいことは考えなくても、とりあえず大学構内では冬期湛水不耕起栽培(稲刈りの時も水を抜かず1年中水をたたえた水田で米を育てる耕法)にヤギ部のヤギを放して草を食べさせる田圃、「ヤギんぼ」があり、そこに被害を及ぼす「イノシシ」をいかに捕獲するか、罠作りに大真面目に取り組む学生と教授がいて、研究室では時にヘビのアオ君が脱走して行方不明になったり、廊下をアカハライモリ(こいつも脱走兵だ)が歩いていたり、常になにかしら起こっている様が楽しそうで、ああ、こんな大学で勉強できたら、その後の人生が変わるかな?社会人になっても大学時代の思い出を誰よりも目をきらきらさせながら語ることができるなぁ、と思いました。

表題の「シマリスがヘビの頭をかじる」という行動については、読んだ際のお楽しみに。本当に必死で、「怖いけれどやめられないんだ~!!」という感じで齧るんだそうです。齧られるヘビもたまんないよねぇ。

ただ読むだけなら中学生でもOK。ちゃんと深いところまで読み取るのは高校生くらいからかな。大学生活が遠い昔になってしまった大人が通勤ラッシュにもまれながら読むのにも、もちろんおすすめです。大人の夏休みの1冊にどうぞ。

6月の読書

7月になった。7月になったんだけれど、毎朝なぜかお隣の籔と化した庭でウグイスが啼く。山に帰らなくても良いんだろうか?もしや嫁を娶るまで故郷の山に帰れない、わけありウグイスなのか?

もうすぐ隣の籔化した庭では大量の蝉が羽化するはず。いかれたウグイスと蝉のコラボレーション?なんか凄そうです。

さて、6月は「食」にまつわるお気楽系読書三昧でした。

1冊目は料理人澤口知之×リリーフランキーのコラボレーション?「架空の料理 空想の食卓」

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雑誌「料理王国」で3年半連載していたものが本になったというこの本は、毎回リリーフランキー氏の出したお題にあわせて澤口さんが創作料理(基本イタリアン)を作り、それを食べたリリー氏が文章を書くというスタイル。そういえば連載中、料理王国を買ったときにはおもしろがって読んでたなぁ、私も。

実はリリーフランキーの文章を読むのはこれがはじめて。「東京タワー」は本も読んでいないし、映画もTVドラマも見ていないです。リリーフランキーといったら代表作は「おでん君」でしょ?と今でも思っています。おでん君は秀逸な出来だと思う。

で、この本は完全に澤口さんの作る料理の迫力が、リリーフランキーの文章を凌駕してますね。おいしそうとかいうレベルを超えた迫力がある!時々無茶苦茶やん!と突っ込みをいれたくなるような料理の数々。この連載を通常のお店の業務を続けながら(おまけに離婚までしていたそうな)3年半も続けたという、そのパワーにまずは脱帽です。リリーフランキー氏のほうは「東京タワー」を出し終えて、まったく原稿を書かなくなった時期で、鬱々とした日々の中にいたらしい。超エネルギッシュなパワーあふれるイタリアンシェフとかたやうつ状態にある作家。ある意味素晴しい組み合わせです。

それに「料理王国」って雑誌としては高いだけあって、写真は本当に良いのよね。その写真がふんだんに載っているので、これを見るだけでも楽しめます。

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ま、上記の本が見て楽しむ本だとすると、次の本は読んで、想像する楽しさがある。

太田和彦氏著「ニッポン居酒屋放浪記」(立志編)(疾風編)

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太田氏はれっきとしたグラフィックデザイナーなんだけど、今は日本酒愛好家、居酒屋愛好家としての顔のほうが有名ですね。(日本酒の蔵元さんの会で、オカモさんもゲストとして招かれた氏に遭遇したようです。)多分これも雑誌に連載されたものをまとめた本だと思います。

太田氏と同行者(雑誌の担当者ですね)が、日本各地に旅をしてそこの町の居酒屋をめぐる、という酒と食の旅行記です。けっして居酒屋のガイドブックではありません。旅先に着くと昼食がてら夜の居酒屋の下見をして、目星をつけてから宿で仮眠をとり、薬局でユンケルなんかをあらかじめ飲んでおく、という本当に夜、酒を飲むことを主眼にしたおっさんの旅であります。なにしろ太田氏の勘だけで突撃するわけだから、いつもいつも名店にあたるわけでもなく、同行者が料理の写真を撮ると、露骨に嫌がられたり、邪険にされたり、まずいものを食べさせられたり、台風に出合ったり、けっこう散々な目にあっています。で、そういう時のほうが話が面白い。

中年のおっちゃんの情けなさがじ~んと沁みてきます。本当に笑っちゃうほど情けないんだわ。この人はとにかく居酒屋に母性的なものを求めているから、割烹着を着た笑顔のお母さんやら、若おかみなんかが出てくるとそれだけで、上機嫌になっちゃうところがあります。確かに名酒を飲むだけなら、酒屋で買って家で飲めば済む話で、居酒屋には太田氏が云うように、自分を丸ごと包み込むような空気があってはじめて良い店といえるのでしょうね。

しかし、このおっちゃんの情けなさ加減が、私の昔のとんでもない上司を思い起こさせるのですよ。二日酔いの朝、机につっぷして「修ちゃん、疲れちゃったぁ」と言ってのける、しょうもない上司でありました。なんど書類でその頭を張り倒してやろうか、と思ったことか・・・。そういえばこの上司、5人兄弟の一番末っ子だったっけ。ずっとお母さんの秘蔵っ子だった末っ子気質が、太田氏にも感じられるのは私の深読みのしすぎでしょうか?すっぽん姉家の末っ子、まあ様がこういう大人になるんじゃないかという私の心配が杞憂に終われば良いけどなぁ・・・。

まぁ、酒好きでも酒好きでなくても読み物として充分楽しめるので是非どうぞ。私はお酒ではなく食べ物に反応しちゃって、通勤帰りに読んでどうしても「玉コンニャク」が食べたくなってスーパーをはしごしたり(*注意:今の時期は売ってない!スーパーの棚には刺身コンニャクばかりが並んでいます。)一口餃子が食べたくなって、途中下車してデパ地下をうろついたり、タコ買って帰ったり、大変な影響を受けております。お腹が空いたときには読まないほうが無難かも。

最後に偉大なるマンネリともいえましょう、こんなのも忘れず購入しています。

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東海林さだおセンセイのこのシリーズを全て愛蔵しています。そうか、もう30冊にもなるのですね。風邪をひいたり体調を崩したりして寝込んだときには、このシリーズを枕元において飛ばし読みするのがお約束♪

さ~て、7月はすこし真面目な本も読まなきゃね。

5月の読書(中間報告)

子供の時、海外出張から帰ってきた父のお土産で好きだったのはお人形さんでも貝殻のアクセサリーでも、当時は珍しかったフルーツでもなくて、実は機内食(お偉いさんと一緒の時に乗るファーストクラスのヤツ)の綺麗なメニュー表だったり、なんかわからない文字が書いてあるパンフレットだったりした。そういうものの方が、海のむこうの知らない国の香りがしたのかもしれない。

父はそうして海外を仕事で飛び回っていたが、母も姉も私も驚くほど出不精で、よその国の話を家で聞くほうが好き、というていたらくだった。これは今も変わらない。そのよりによって出不精なワタシにアリーマさんたらこんな本を「お読みなさいな。」「コレはオモシロイヨヲ」とオススメくださったわけだ。読者の人選を誤ったね?アリーマさん。

でもどこにも行かないワタクシにとって、きらびやかなヨーロッパの高級ブティックめぐりの話より秘境のほうがよほど親近感が沸くから、まあ、本屋で探して読んでみましょうと思っていたら、探すまでもなくたまプラーザの有隣堂ではちゃんと平積みになってました。(アリーマさん、売れてるみたい!良かったネ)

金子貴一著「秘境添乗員

秘境添乗員と名乗り活躍している著者には添乗員としての顔だけでなく、ジャーナリストとしても、有能なアラビア語・英語通訳としての顔も持っている。この本は4章立てになっていて1章は「秘境添乗体験記」2章は「なにゆえ金子氏がこういう仕事につくにいたったかについて」3章は「ジャーナリストとして経験した湾岸戦争、及び自衛隊の通訳として自衛隊イラク派遣部隊とともにサマワ駐屯した体験記」4章では「国内秘境添乗の話とともにご家族の介護、そして著者自身の結婚にいたる経緯」という内容です。ちゃんと頭から読んでこそ、なんだろうけどバラバラに読んでも面白い。

で、これはワタクシのまったく私見なんだけれど、この本は秘境という異郷や異文化について書かれているというより、タイトルが示すようにこの本を読むということは「秘境添乗員」たるカレを読むことに他ならないなぁ・・と。

人様を形容する際に「うすっぺらい」とか「冷たい」「熱い」「情が深い」「懐が深い」「思慮深い」とかいろいろな表現があるけれど、私が本を読んだだけで抱いた金子氏のイメージはあえて言うなら「厚ぼったい」・・・。(これって褒め言葉になるのかなぁ?褒め言葉なんですが)「熱い男」とかいうやたら押し付けがましいヤツでもなく、「情が深い」という浪花節は入っておらず、「懐が深い」というほどには完成させていない、というか、まだまだ現在進行形の行き方だから「厚ぼったい」人なんじゃぁなかろうかと・・・。勝手な思い込みですが。

添乗体験記ではまるでサービス業のバイブルのような読みどころあり、充分ビジネス書を書かせてもいけるんではなかろうか?と思ったりもした。(笑)

いいなぁ、「厚ぼったいヒト」。けっして達観したり枯れたりしないで現在進行形のままドスドスとまわりのヒトも巻き込んで生きていくのだろうなぁ。

「そういう人」の本でした。もちろん、異文化とのつきあいかただの、ジャーナリストとしての活躍から垣間見れる、湾岸戦争やイラク戦争の裏側だの得られる知識やものの見方もすごく参考になります。読む人によって感想はまたそれぞれだとおもうのだけれど、今回の私の読み方は「いやぁ~なんとも厚ぼったい人がいたもんだぁ」というものでありました。

出不精な私はこれを読んで「そうだ!旅に出よう!」とは思わず、あいかわらず半径5キロ圏内でゆるゆると暮らしていきそうではありますが。

4月の読書

4月は通勤時間帯を通信教育のお勉強にちょっと当てていたので、読書量は少なめ。そんななかでも重い本を持ち歩いて久しぶりに再読したのが塩野七生著「海の都の物語~ヴェネツィア共和国の一千年~」

いまでこそヴェネツィア=ゴンドラもしくはヴェネツィアングラスもしくはベニスの商人くらいしか頭にうかばないけれど、海洋国家として大いに栄えた国の盛衰史が切れ味良く書かれています。資源をもたないヴェネツィアが貿易によって大いに栄える為に、外交に内政に、苦心することで偉大な「商人」国家になっていく、その様子が個人主義に徹底した同時期のライバル国家ジェノバとの比較も交えて描かれます。

私にとってヴェネツィアは「複式簿記」発祥の地。積荷を積んで余所の国へ航海し、そこで積荷を売って、新たな商品を買い入れて自国へ戻りそれを他の国からきている商人達に売りさばく・・・そうした中から生まれた複式簿記。偉大だ・・・。

この簿記が生まれたことによって、ものすごくスムースに複雑な商売が可能になったことは間違いないです。「簿記」とか「帳簿」とかいうと顔をしかめる人も多いけど、あれは実に美しいものです。(あくまで齧っただけですけど。)ああいうものは、やはりとことん合理的な頭の人たちでないと考えられないものですね。だからシュイクスピアの「ベニスの商人」はあくまで「イメージ」であって、本当のヴェネツィア商人達は「1ポンドの肉」なんつう非現実的な担保はとらなかった筈。

さて、もう一冊読んだのも、軽い読み物でしたけれど会計検査院の調査員3人が登場する万条目学著「プリンセス・トヨトミ」。5月のある日、大阪が全停止するという事態になった、その背景にはこの調査官達があるNPO組織「OJO」の会計検査を申し入れたことから始まる・・・という楽しいフィクション。これ、大阪の町を実際に知っていたらもっと楽しめるのになぁ。しかし、ここで繰りひろげられる会計検査院の「会計検査とは如何にあるべし」という姿勢が心地よい。「そうなんだよ~!!」とクミアイセンジュウショキとして常に役員のお金の使い道に目を光らせるワタクシとしては、ついつい自分がなし得ない(アタリマエだ、私は検査員じゃないからね)強い姿勢に大きく深くうなずくのであります。あ、これもう一方の主人公はふたりの中学生。ひとりは女の子にどうしてもなりたい、外見は冴えない男の子で、この主人公の設定もナイスだ。

そんなわけで気付けば「経理の基本知識がわかる」という通信教育のリポートを書きつつ、こうした本を読み、かつ現在通勤列車内で「やさしくわかるキャッシュフロー」なんつうビジネス本を開いては、立ちながらも眠気に襲われております。

クミアイセンジュウショキに、はたしてキャッシュフロー会計の知識は必要か?と問われれば「いえ、趣味ですから」と答えるしかありません。

ましてや「簿記」が趣味のケーキ屋って変だよね。

3月の読書

3月は少し本棚の整理をしたいと思ったので、ブックオフ行きになる本と、永久保存になる本の見極めをするため、再読月間でありました。

だからご紹介する本はかなり古い本です。でも名作だからちゃんと残っていると思います。まずは山さんのバイブル、師岡幸夫著「神田鶴八鮨ばなし」

柳橋の「美家古鮨」で修行を積んで神田に店をもった著者の、江戸前の鮨とはどういったものかについて鮨を握っている側からの解説と自分自身の修行話が、なめらかな文章で綴られています。(口述したのをまとめた感じかしら?)ひとりの若者の成長譚とも読めるし、お鮨のこともよくわかる。あと、なにしろ「食」に携わる者としての姿勢がビシビシと伝わってくる好著です。

この人のすごいところは非常に考え方が合理的(というのとはちがうかな?)思考がグダグダしていないところでしょうか。だから鮨についての解釈でも「伝統的な」ということにばかり捉われていてはいけない。最終的なゴールは「お客様に美味しいお鮨と召し上がっていただくこと」であると、きっちり見定めたうえで、その時代にあった仕事をし、かつお客様の味覚の広がりにも対応していくという自在さをもっているところでしょうか。そして著者がそのレベルに達したのは、芯のところがぶれないだけの修行をしたからという自信が土台になっているようです。修行ひとつにしても、この人は相当に理屈っぽくて、並みの親方では彼を御せなかったと思うのですが、それだけの器の人、美家古鮨の親方に出会えたからこそ、華が咲いたのだと思います。

これを読むともちろんお鮨をものすご~く食べたくなるけれど、本当の仕事をしている鮨屋さんでないと満足できなくなるので、お財布との兼ね合いでちょっと難しいのよね。頭の中でお鮨を堪能するばかり。でもこういう頭の中がすっきりした人の話を読む快感はあります。

さて、次はタコ社長のバイブル海老沢泰久著「美味礼賛」

あくまで小説と銘打ってはいるけれど「大阪あべの辻調理師専門学校長」の辻静雄氏の伝記です。これを読むとどうして戦後の短期間で日本にこれだけちゃんとしたフランス料理が根付いたかが理解できます。彼の舌とそれを正しく伝えようとする真摯な姿勢があったればこそだったのですねぇ。

マダム・ポワンという最良の庇護者のもと、フランスに滞在してありとあらゆる料理を食し「文化としての美食」を体に刻み付けていくという体験とその時に培った人脈で、その後の辻調理師専門学校を大きく成功させた辻氏の半生を描きつつ、その下には「文化としての美食と生きていくための食事」という時として相反する食の捉え方の対比が顔を覗かせます。

私の登戸の先生も「どうして、ケーキは膨らむのか。どうして焼き色はつくのか?」といった疑問に諸先輩方も、当時の製菓学校の先生方も答えられないことに業を煮やして学校に掛け合って、ドイツに単身「オープンリール」の機材一式を背負って大陸を横断して出かけた人です。ドイツ語がわからないながら、ドイツの製菓学校での講義を「オープンリール」に納めて、帰国費用がないので帰りは客船でパティシェとして働きながら帰ってこられたそうです。東京オリンピックの年のことで、この辻静雄氏の渡航の少し後のころですね。

今、私達が日本にいながらにして誰もが各国の本格的な料理を口にすることが可能になったのはこうした先人達の努力と、なにより「正しく広く伝えよう」とした私心を越えた姿勢のおかげなのだと思います。

もちろん、小説としてもとても楽しめます。

最後は山田営業本部長のバイブル・・・・と思ったのですが、なにしろこの人は「週刊ポスト」くらいしか読まんからなぁ。

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2月の読書

小雪が降るような寒い中出かけてたもんで、お腹の風邪がぶり返し本日は完全休養です。

お昼は・・・どうしたらいいんだ!パンに卵?お素麺?

さて、(なにが「さて」なんだよぉ)2月の読書総括です。実は2月はロクに本を読んでいなかったことが判明。なぜだろうかと考えたら通勤途中自分のレシピノートを広げて、レッスン予定を組むお仕事を電車内でやっていたからですね。ああ、仕事熱心だこと・・。(家でやれよ)

だから思い返すに3冊しか読んでないです。1冊は図書館で借りた河合隼雄先生のエッセイ(タイトル覚えてないよ・・・。)もう1冊は丸谷才一の「男ごころ」これもエッセイですね。これは自分で持っていたのを再読です。しばら~くほっておいたので、いい具合に内容を忘れ、読み直しても楽しめました。丸谷さんの旧かな遣いが読みなれるとたしかにこのほうが読みやすい気がするので不思議です。

もう1冊もエッセイ。こうしてみると今月は短いものを、脳味噌がお仕事から離れる為にチビチビ気分転換で読んでいたように思います。

え~、その最後の1冊ですが、これは買う気もなく羊さんに付き合って本屋さんに行った時に見つけました。ちくま文庫には桂枝雀さんの落語本が充実してるなぁ~とあれやこれや、取り出してめくったりしているうちに、ふと手に取って立ち読みしたこの本。

いや、大変なことになりました。

ツボにはまっちゃって笑いが止まらんのよぉ~!!

ダメだ、笑っちゃいけない、笑っちゃいけない、と思えば思うほど笑いがこみ上げてきて、「あ、小学生がこっち見てるよ~」とか「後ろのお兄さんが離れていくよぉ」とか視界には入るのだけれど、止まらない。笑いをかみ殺して涙が出てくる~。必死で羊を探し(いや、一人で笑っていると変に思われるが連れと一緒ならどうにかごまかせるだろうという計算だったのですが)挙句、羊には完全に他人のフリをされた・・・。

仕方ないので買いました。責任をとって。

ちくま文庫 なぎら健壱著 「酒場漂流記」

すいません。こんなのを電車の中で読んで。おまけに電車の中でも笑いを止められず、怪しい人になってました。もちろん家の中では大爆笑して羊に完全に嫌われました。

もしどなたかが、ものすごくつらい気持ちになっていたらこの本をお勧めします。普通の人は本屋さんとか電車の中では決して読まないように。読んでもいいけど「ビリーザキッド」というステーキ屋さんの話だけは避けるように。いいですね?忠告しましたよ、ワタシは。

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先日ブレーメンにいらしたSさんから頂戴しました。Sさんはしばらくレッスンは産休です。なので~とお母様が作られた手作りの栞をお持ちくださいました。「センセイ、読書がお好きでいらっしゃるようだし」と一言そえてくださったのですが、センセイ、こんなのを読んでいるんだよぉ。

ごめん。でも「酒場漂流記」にはこの一番左の幅広の栞が良いかな。

Sさん、ありがとう。元気な赤ちゃんを産んでくださいね。酒場漂流記はいっぱい笑えるから胎教に良いと思うけど、産院の待合室で読むのは止めようね。

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