かすてらの話

やっとさんぱちさんに予告していたかすてらの話に辿り着きました。

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ことの発端はさんぱちさんが書いていらしたNHKの深夜の番組「タイムスクープハンター」の「リストラ武士の奮戦記」でありました。明治維新で一気にリストラの憂き目にあった若い武士が、当時流行のかすてら屋さんに修行して、紆余曲折を経て今まで固執していた武士としてのプライドを捨て、新しい時代に船出していく・・・・とまるでこの番組を見たかのような書き方をするけど、要約するとこんな話で良いんでしょうね?さんぱち先輩!

で、さんぱちさんが「詳しいあらすじはこちらで」とリンクを貼っておいてくれたタイムスクープハンターのHPを拝見したら、そこでかすてら屋の親方が持っているかすてらが丸くて、「あ!」と思ったわけです。この時代、かすてらは「丸型」でありましたか。

それから日を置かずして私は登戸の教室に、S崎さんの安産祈願かすてらを焼きに参りました。良いかすてらを焼けて、先生にも褒めていただけて、気分がほぐれたところで、この番組の話を先生にしてみました。

「先生、明治維新の頃のかすてらって丸型だったんですか?」「そうだよ。」「え?では型は曲げわっぱとか?」「銅だよ」「ええ?ではどちらかというと今でいうスポンジケーキみたいなもんだったのですか?」「やっと、この時代にスポンジケーキみたいなものまで辿り着いたんだよ。」「ええ~?」

どうも私自身の思い込みが今まで強かったようです。かすてらが南蛮から日本に入ってきてすぐに日本では木枠を使っていたと思い込んでおりました。

さて、そこから先生のかすてら伝来持論が始まりました。先生の説はかすてらはポルトガルの宣教師によって伝えられた「パン・デ・ロー」が元祖だろうといわれているけれど、先生としてはあんな菓子(スポンジ)が長い長い航海に保存できたとは思えない。もしかしたら中継地のマカオあたりで焼かれたものを持ち込んだのかもしれないが、それより最初は「かすてらぼーろ」のような乾いたものだったと考えたほうが自然である。最初は日本では「紅梅焼き」のようなものとして広まったのではなかろうか、とのものでした。

で、やっと明治維新の頃に銅の型をつかってふんわりとしたスポンジ状のものができるようになったのですね。今のように木枠を使って大きい形状のものが焼けるようになったのは、ガスオーブンの発展によってなんだよ、とのことです。それまで下からの火力しか得られなかったものがようやく横からの火力を得、そして上からの火力が可能になったオーブンの発展によって現代のカステラの製法が確立したのだそうです。先生曰く「大正時代がいいとこじゃない?」

意外と新しいお菓子だったのね?かすてら。ハイカラなお菓子でありました。そして上火という力を得てからは、効率よくオーブンいっぱいに焼ける長方形の木枠が採用され、パサパサした味はどうもねぇ~という日本人の(というか日本の風土が求める)食味にあわせて、生地の蒸気を閉じ込めつつ焼きあげるという独特の焼き方に発展していったのでありましょう。

武士階級の人が明治維新後に職人に~という話も多いに有り得る、という話でした。かすてら一番電話は二番、三時のおやつは文明堂♪の文明堂さんの始祖のお名前は「中川安五郎」さんだけれど東京進出を果たした実弟は宮崎甚左衛門というご立派なお名前。武士階級からの転身、大いに有り得ると先生も語っておられます。

あと、日本国内でも長崎からどのように伝わっていったかその道をたどると・・・というお話も聞けて、さんぱちさんからの情報が思わぬ形で先生とかすてらを熱く語る、という楽しい時間に変わりました。ありがとうございます、さんぱち先輩。

かすてらの起源については福砂屋さんのHPのが一番詳しいです。福砂屋さんが監修したのかな?かすてらについての立派なご本は先生のところにも送られてきていて私も目にしたことがあります。

さて、そんなわけで「かすてら」ですが私にご注文いただけても、なかなか焼けないのが現状です。(現在順番待ちの方が・・・すいません。)でも登戸の教室でしたら、先生の監修のもと腕利きの生徒さんが焼きますので、ご注文が可能です。私がその場にいたら焼かされるかもしれないけど、私より腕の確かな若手が焼くことが多いと思います。興味のある方は登戸の先生のほうへお問い合わせ下さい。でも、このブログのことは先生にはナイショにしているので、くれぐれも私の名前は出さないでください。そこのところだけひらにお願い申し上げまする。

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安産祈願かすてら

どういうわけか、今私のまわりは出産ラッシュです。これから私の知り合いのところに次々と赤ちゃんが生まれる予定です。

そんな中、多分トップバッターを切るであろう、ケーキ教室の生徒さん(現在産休中)のS崎さんから1ヶ月ほど前からかすてらを頼まれておりました。最初はS崎さんのご自宅へお送りする、という手はずになっていたのですが、私がのんびりしている間に、S崎さんは臨月をむかえてしまいました。いつご出産になってもかまわないよう、かすてらはご実家と旦那さまのご実家、双方へ直接送ってくださいね、というメールが届きました。

いよいよ・・・ですね?こちらまでなんか緊張してきちゃいましたよ。

そして今日、登戸の教室にS崎さんのかすてらを焼きに行ってきました。ここのところ、なかなか思うようなかすてらが焼けず、不完全燃焼気味だったワタクシですが、きょうはなんとしても2枚連続で良いのを焼かなければなりません。

で。どうだったかと言うと。

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2枚続けてかなり満足な焼き上がり♪久しぶりの快挙です。先生にも「焼いたアナタも鼻高々だろうけれど、ワタシも鼻高々だよ」と言っていただけた、最高の焼き上がりです。

ああ・・・良かった!

これで安産間違いなしだな。

そんなわけで、S崎さん、明日双方のご実家へお送りいたしますね。無事に元気なあかちゃんが生まれますように。お祈りしております。

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褒め言葉

昨日、かすてら会の春の品評会が行われました。前日、「私は真央ちゃんと一緒!」と無理やり思い込んだ私も、ヅラがずれたかすてらをなるべく人目に晒さず、さっさとカットしちまいたいという気持ちは消せないので、いつもよりかなり早目に教室へ到着。でも、やはり皆さん考えることは同じなようで・・・すでにいっぱいお集まり。

でもサクサクと作業をこなし、展示用に10cm×10cmを、試食用に1cm角のものを30個カットいたします。

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カットし終えれば、ヅラがずれたことには誰も気付くまい・・・でもなぁ、その事実は消せないのよね。(泣)

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毎度のことながら、かすてらばっかりで、この中から審査をいたします。一般の審査では既に私を含め何名かのタイトル保持者(!)は審査対象外ですので、皆様に作品は晒されるだけです。

ただ、今回はゲストによる隠し審査というのがあって、先生のお弟子さんで現在福島市で和菓子店「松屋清風庵」を営んでいらしゃる菅野さんが、タイトル保持者の作品も含め全ての中から5点選んでくださった中には入りました。第1席ではなかったので、奨励賞みたいなもんでしょうね。ご褒美は菅野さんが焼かれた「かすてら」です♪

プロである菅野さん、プロというと「所詮素人さんは・・」という視線が付き纏いそうなもんですが「たかがかすてら、されどかすてら、なんですよねぇ~」と私達と同じようなことをおっしゃり、えへへ・・と気弱そうに笑う。さすが、私達の大先輩。教室のかすてら専用釜で修行なさったときは毎回、先生と日本酒1升を計量カップで飲み終えて、緊張をほぐしてからでないと焼けなかったという伝説の持ち主です。ネットで調べたら、本当に先生が作る和菓子を素直に受け継いで、「かすてらは人柄がそのまま出ます」とご本人がおっしゃっていらしたけれど、菅野さんの作る和菓子にこそお人柄が出ているようです。福島駅からすぐのところにお店があるそうですので、福島に行かれたら皆様も是非覗いてください。私も行きたくなりました。

さて、その後はいつものように全員が持ち寄ったツマミでワインを飲んで懇親会。その席では「人前でしゃべる」という練習もかねて一人ずつスピーチっていうかコメントを述べねばなりません。当然私も「真央ちゃんと一緒だ(だれがなんと言おうと!)説」をぶちあげ(こういうところは山田営業本部長人格が役に立ちます)座を大いに盛り上げたことは言うまでもありません。ハァ・・・。

そして・・・その後スピーチが続くなかでお一人のかたから「山田さんご本人も焼かれるかすてらも本当に男前です。」というお褒めの言葉を頂戴いたしました。

男前・・・・・。

身に余るお褒めの言葉ですよね、きっと。

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真央ちゃんと一緒だ(誰がなんと言おうと)

明日はうちのかすてら会の春の品評会だ。そんなわけで今日、焼いてきました、出品作を。

そして唐突ながら浅田真央ちゃんのハナシである。昨日、NHKのスポーツ大陸が真央ちゃんの特集だったので見ていた、ということもある。

彼女のジャンプは素晴しい。素晴しいが、時としてほんの何秒かのタイミングがずれただけで、そのジャンプは不成功に終わり、観客はタメイキをつくこととなる。「大丈夫か?真央ちゃん!」見ているこちらも、解説者も一様に動揺するが、その試合後のインタビューで、本人は意外と冷静で「全体としては間違ってはいない。課題はあるのでそれを修正していきます」みたいなことを言っていることがある(ような気がする)。それが負け惜しみではないことを、次の試合できっちり証明している点がさすがなのではあるけれど。

今日のかすてらは、生地をすこし立てすぎたので、泡きりに苦労したものの、途中まではほぼベストだった。表面も滑らか、品評会向けの押し出しのきく良いかすてらに仕上がるはずだった。

が、しかし・・・途中で2枠目をのせる段になって、左端だけ一箇所火が強く当たってそこだけ早く膨らみすぎていることに気付いた。この段階ではもう調整は効かない。「やったな・・・」この時点ですでに結果は予測できた。そう、表面が流れる、業界用語(?)でヅラがずれるっていう奴である。これは初心者でワケがわからない頃、泡きりのバランスが悪いとよくなって泣いたもんである。

所詮、かすてらの端は切り落とすものだから、あまり気にする必要はない、と常々先生はおっしゃるが、カッチョ悪いことには違いない。聞けば本日同じオーブンで焼いた人で4人目だとか。若手のホープ、希織ちゃんもヅラがずれて思い切り落ち込んでいたよ、と先生は言う。

「先生、でも私は落ち込まないゾ」と負け惜しみを言ってきた。全体としては間違っていない。たとえ真央ちゃんがジャンプでミスをしようと、真央ちゃんのスケート自体が否定できないように、ヅラがずれてもそれは今後修正していけばよい課題であって、根本から迷ってしまったわけではないから。そう、真央ちゃんと一緒なのよ!

明日、衆人の前であの端が流れたかすてらをカットするのは、ちと恥ずかしいなと思うものの、そういうのもひっくるめて私のかすてらは間違っていない!とアピールしてこようと思っている。

そう、私は既に自分を真央ちゃんに重ね合わせているのである。誰がなにを言おうと、私と真央ちゃんは一緒!

妄想力は我が身を救うんである。

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寒稽古始まる

これから当分の間、登戸の教室では「かすてら」を焼き続ける予定。そう、今年もかすてら寒稽古の時期になりました。

久しぶりに焼いたので、今日は手順を追うことでいっぱいいっぱい。でもそれだからこそ、余計なこと考えずに緊張感を維持できました。2枚焼いてどちらもまずまずの出来。

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これは最初に焼いたほう。迷ったのだけれど、表面の焼きが美しい、あとから焼いたほうをお供え物として某所へ配送して、こちらは私達の当面の朝食に、そして少しだけ代官山珈琲倶楽部への差し入れにまわすつもりです。

ご注文いただいているS崎さん、今日の試運転でだいたいOKなので、もう少ししたらご注文分を焼きますね。もうしばらくお待ち下さい。

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戦い済んで日が暮れて

昨日、篁流かすてら会の第3回名人戦がおこなわれました。私は焼いた段階ですでに名人位が取れるほどの出来ではなかったので、もちろんペケです。ただ、間違った方向には進んでいないことだけは、確認できました。それは収穫だったかなぁ。

まぁ、とにかく終わった、終わった。やーれ、やれ。

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これが今回の私の作品。まず焼き色が薄い。表面はとても良く仕上がったのでそこは満足です。火通りがあと、2分足りなかった、というかオーブンの細かい調整が出来切れなかったのが主な敗因ですね。

今取り組んでいる焼き方は微妙な調整を要するので、ギリギリうまくいったときにはスゴイのが焼けるのだけれど、そこがちょっとでもずれるとうまくいかない。つまりまだ完全に自分のものになっていないっていうことですね。

次点で惜しくも名人位を逃した人がスピーチで「2年後の名人位を目指して明日からまたがんばります!」と力強く宣言してましたが、私も大会は別にして今の焼き方をちゃんと自分のものにしなくっちゃ!とズルズルと重い体を引きずって帰る帰り道、ズルズルと決意を新たにいたしました。いやぁ、本当に疲れていたもので、ズルズルと・・・。

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一般審査委員による審査風景。食べてるうちにだんだんわからなくなっちゃうのよね。みなさんご苦労なさったことと思います。

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第3代名人位を獲得した今井さん。可愛いお嬢さん2人を連れて会に参加していらっしゃいました。お嬢さん達の誇らしげな顔ったら!この後の懇親会でお嬢ちゃんたちにせがまれて、なぜか私、紙コップにウサギの絵とニワトリ!の絵を描かされました・・・。(ウサギ組とニワトリ組に在籍してたんですって!)

戦い済んで日が暮れて・・・。道は間違っていないのだから、またがんばって修行し直そうっと、心を強くしたところでございます。

そんなわけで当分かすてら修行に明け暮れます。大量注文は無理、良いのが出来たときにお送りします、という条件つきではありますが、召し上がってみたい方はお気軽に声をおかけ下さい。

もれなく私の「根性」とか「執念」とかが付いてきます。あしからず。

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かすてらの道は厳しく険しい

さて、今度の日曜日がかすてらの会の名人戦当日。でも当日っていうのは審査がある日で、本番用のかすてらは昨日焼きました。

結局「寒稽古」なんていったって、たかが1ヶ月の練習は本番にはさほど役に立たない・・・ということを実感して帰ってまいりました。まず雰囲気に呑まれる。オーブンの順番待ちがあるので、人様の動向まで視野に入れて動かなくてはならないので、集中できない等々。そういう中でで~んとしていられる根性が未だ育っていなかったというのが大きいなぁ。

1枚目は端こそ流れた(という表現がふさわしい状態があるんです)ものの「そこそこの出来」。ただし、火が入りすぎた感は否めない。2枚目はもしかしたら火の入りが弱かったかもしれない・・・。どちらを出すか、迷った挙句2枚目のものを出展することに。先生がちょっと意外そうな顔をしてたけど。

1枚目ならそれなりの評価をもらえたかもしれないのだけど、今回の寒稽古で私が目指していたのは「ぎりぎりの焼き上がり」だったので(火の通りが絶妙に入ったところで挙げるの意)、1枚目ではどうしても火が入りすぎていて私の中では失敗だった。同じ失敗でも2枚目のほうが目指していたものに近かったから、ダメでも私自身がとっても納得できる。全ては日曜日に基準のサイズにカットしたときに、断面図を見ればわかります。引き返しても良いように1枚目もキープしようか、と思ったのだけれど結局、安全策をとっても意味がないことなので、実家に気前良くぜーんぶ置いてきた。

上記のようなことを母にぶちぶち言いながら「でも、ま、これで終わったしなぁ~」とやっと解放された気分。この寒稽古中の最高傑作は結局姉のところに行った1枚で、「あれは本当に美味しかった!」と姉も絶賛してくれとりました。せめてもの慰めってやつですね。

でも最高傑作は最終的に小猿(姉のとこのチビ)が食べたんだぁと思うと、なんか笑えるなぁ。

さて、気を取り直して、日曜日は初代名人としての職務を全うすべくかすてらの会に参加して写真取りまくり、皆様にレポートいたします。かすてらの画像ばっかりですが・・・。

そんなさなか、ブレーメンでの教室用の試作もしておりました。これらは4月のレッスンで取り上げます。

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これは「サンガプール」(シンガポールのフランス語読み)と名付けられた爽やかなレモンのケーキ。シロップにもレモンを使うので本当に甘酸っぱくて春にぴったりのケーキです。

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これは4月の焼き菓子で「ライヒチ・ザントマッセントルテ」です。マーマレードを入れて焼くスポンジケーキなのですが、今の時期、ワケアリでキッチン山田ではマーマレードを大量生産中、贅沢にもそのマーマレードを使ってのレッスンになろうかと思います。上のオレンジ(実は夏みかん)もシロップ煮にして使います。これも爽やかで美味しいのよ。

上記のふたつのホールケーキを連続で作っちゃったもので、後始末が大変でした。結局通勤ラッシュにも負けず職場に運んで、珈琲倶楽部の面々に消化してもらいましたけどね。

かすてらの会が終わったら、また大量のかすてらを事務所に運ぶことになるんだろうか・・・。

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歳をとっても

またまた、かすてらの話で恐縮です。ここのところ毎日曜日、登戸の先生のところで「かすてら」の寒稽古中。2枚を連続して焼くのだけれど、焼き方をいろいろ変えて(と言っても1分2分の差だったり、敷く新聞紙を新しいものにするか、焼きこんだものにするか・・という選択)、どの焼き方が自分の種に一番あっているか、模索中です。

先週1枚目に焼いたかすてらは充分満足いく出来上がりで、これがコンスタントに焼ければ、多分それが私のかすてらの完成形になるな、と思える出来でした。

ただし、品評会で勝てる「かすてら」ではない。いや、別に勝たなくっていいんですけどね。そういう意味ではなく、ぽーんと頭ひとつ出た、出色の出来というヤツでは無い。

たまーに、そういうのが焼ける時があるのですよ。自分の実力以上のぽーんと、もしくはすっか~んと図抜けた良いかすてらが。

いままで、それは神のみぞ知る、という感じで時々、たまたま出現するだけのかすてらだったのだけれど、それを自分のコントロールできる範囲でせめてそれに近い感じにまで仕上げたい!というのが今回の寒稽古の大きな目標でした。種と火の按配・・・これに尽きるのかな、というのが実感でした。いままでその図抜けたかすてらが焼けたときの条件をいろいろ考えてみると、そこにヒントがあると思っているわけです。

だから焼き方をいろいろ変えてみてました。単に変えるだけでなく、焼いていない残りの平日6日間、次はどうしようかと考えてました。(仕事してるときもね♪)

で、昨日、ほぼ理想どおりのかすてらが焼けました。2回目の泡きり(という作業があるのよ)と温度と時間、自分の推測どおりに仕上がりました。まだ、まだ、偶然の入り込む余地が多いので、2月に入ったら2枚を同じ焼き方で焼いていって、この焼き方を形にまとめていこう!という話を先生としました。

うーん、こういうのを人に説明するのって難しいのだけれど、私は昨日のかすてらを焼いたことで、この先、もっともっと良いかすてらが焼けるのなら、歳をとるのも悪くないや、と心底思えたのです。何年か前、初めてすごいかすてらが焼けておまけに名人戦のタイトルを取ったときはただただ、嬉しかっただけだけど、こんどはもっとしみじみと・・・う~ん、なんか目の前が開けたような嬉しさでした。

で、どんだけすごい「かすてら」かっていうと、もうそのかすてらは遠い沖縄、および近場の世田谷のお客様のもとに旅立ってしまったので端しかないんです。

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ああ、なんてまぁ、美しい端切れなんだ。

おまけに夕飯にロールキャベツを作ろうとして、パン粉が無いことに気付いて仕方なくこのかすてらの端を(一部だけだけどね)パン粉代わりに使ってしまった。

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ロールキャベツ、美味しく出来て羊さん大喜び。「お店のだってこんなにおいしくないよねぇ♪」

当たり前だ。お店のロールキャベツにかすてらの端は使っていないもの。それも最上級Aクラスのかすてらの端だぞぉ。

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寒稽古始まる

寒の入りはまだのような気がするので、正確には寒稽古とはいえないけれど、特別に冷えた今朝の空気の中なので、自分でそういい聞かせた。

第3回篁流かすてら会名人戦の日程が2月24日に決定されたので、それを目指して今週から日曜日の午前中は先生のところでかすてらを焼く。今日は焼き方を変えて2枚焼いた。

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1枚目。温度を低めにして焼いた。キメは細やかなのだけれど、あと1分半火をいれておけば完璧だったのになぁ・・・という出来。ただ、悪くはない。今日は2回目の泡きり(そういう作業があるんですぅ)に開眼した気がした。ちょっとわかったゾ!という気が一瞬した。一瞬だったけど。

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2枚目はオーソドックスな焼き方で。こちらのほうが本日は出来が良かった・・・なのに持ち帰るときに傾いたのか、家に帰って枠から出してみたら表面に皺が寄ってる!!

平らにしておいて置けば、少しは皺がのびるものかしら?そんなわけは無いのよね。焼きたてはふわふわでカットすることもままならない柔らかさ。傾けて持ち帰ったことだけが悔やまれます。

来週も朝から2枚焼く予定。

名人戦、タイトル保持者としてはやはり気を抜くわけにはまいりませんことよ。(お蝶夫人のように言って見ました。)

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かすてら品評会

さて、かすてら週間を締めくくる最大イベント「篁流かすてら会」の秋の品評会が開かれました。

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「かすてら」だらけです。この中から審査していきます。表面の色、艶、肌理の入り方、切り口の美しさ、食べたときの食味がポイントになります。でもはっきり言って今の篁流は実力伯仲、いずれも甲乙つけがたい作品ばかりです。ちなみに私は今回審査員ではありません。オブザーバーとして審査に立ち会うだけで、いや本当に気が楽です。

でも一応審査員が審査中に自分なりに、これは!と思う作品はチェックしております。

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エントリーナンバー12の福山さんのかすてら。私の中での第一席はこの作品です。

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ナンバー30の松岡さんの作品を第2席に選んでみました。彼女は多分次回の名人戦で名人位を取るであろうと噂されている、若手NO1の実力者です。今回は火が少し入りすぎた感じがして、私の中では第2席になりました。

審査の結果、第5席までが表彰対象になったのですが、当然このお二人は入賞しました。やっぱり私って見る目あるじゃん、とちょっと満足。

私は審査対象外の参考作品として出品。

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どう違いがあるんだ!といわれると面目ない・・・。それほど今は実力に差がないのです。その後の親睦会でいろいろ皆さんとワインを飲みながら歓談し、かつ皆さんのスピーチを聞く・・・。

こんなにスピーチのなかで今どき「精進」という言葉が飛び交う世界も珍しかろう・・・。そしてみんな熱い。

全くかすてらを焼いていない、傍観者の立場の方からのスピーチに「焼かない身にとっては、皆さんの悩みがわからないけれど・・・」みたいなのがあって、こちらも酔って熱くなっているので「わからなくて上等!わかってたまるかい!」みたいな気になる。その直後が私の締めのスピーチだったのですが、どうにか大人のスピーチで締めくくれて良かった。(昔だったら絶対、売られたケンカは買ってた。でもこの場合、スピーチした人は全然ケンカ売った気はないんだよねぇ。冷静に考えると・・・。)

たとえまぐれであったとしても初代名人位なんていうタイトルを取ってしまった身である以上、「どんなかすてらを焼こうが絶対言い訳はしない」それがプライドってもんでしょう、とここでもちょっと熱くなる。

熱くなるものを持ってる。そしてそのことでああでもない、こうでもないと言い合えるライバルがいる。これって今時、贅沢な話だと思います。

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かすてら週間 その3

昨日のにぎやかなレッスンを終えて家に帰った私をむかえてくれたのがこれ。大家さんからの野菜の差し入れです。

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いつもこんなふうに玄関にぶらさがっています。いいでしょ♪

中身はピーマンとわけぎとこれ。

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羊さんの大好物の谷中生姜でした。お味噌つけて食べると美味しいのよね。夕食は立派なサンマとこの生姜、それから茄子のサラダとさつま芋のレモン煮です。レッスンでレモン皮を使ったので、その残りを転用しました。

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じつはyomiyomiさんのところで美味しいそうなさつま芋が載っていて、すぐに翌日買ったさつま芋です。yomiyomiさんはなんとレモンではなくカボスを使っていらっしゃいます。渋いなぁ。 

 yomiyomiさんのブログはいつ見ても写真がすごーく綺麗。bookyo2さんのブログの写真もさすがだし、東の(生き物の)bookyo2さん、西の(食の)yomiyomiさん、双璧だなぁとおもっています。朝、yomiyomiさんのブログを覗いておくと、夕食迷わなくてすみます。で、これも朝から心に決めていたおかずでした。羊さんはあまり甘いおかずを好まないのですが、これはすごーく気に入ったみたい。秋ですねぇ。

さて、本日はリー夫人のご実家へのご進物用のかすてらを焼きました。今日は登戸の教室で、品評会前の調整を兼ねて・・・。

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先生から「さすが初代名人!」とのお墨付きをいただけた出来でした。    

リー夫人ご安心下さいませ。こんな感じでお父様お母様のところに届きます。

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かすてら週間 その2

今週はとことん「かすてら」の話。

私達が焼くかすてらの材料は卵6個、砂糖230g、水あめ70g、水40g、小麦粉170g、たったそれだけです。バターなどの油脂は一切使いません。だから小さいお子さんから、お年を召した方、病後の方まで、どなたにも安心して召し上がっていただけるお菓子です。

道具は全て木と紙で出来ています。

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これが私の使い込んだ2代目の枠です。厚みのある本枠に生地を入れて焼き始め、表面に皮がはったら木ベラで泡切りという作業をしていきます。泡きりを3回したら表面に焼き色をつけ、あとは中枠といわれる枠を生地のふくらみの段階によって重ねていきます。

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これが大事な私の泡きりヘラです。これがなくては始まらない大事な大事な道具です。かすてら作りにおいては、ある意味これが私の手になります。

枠は火に強くて香りが強すぎないモミの木を使っています。新品の枠がだんだん焼けて焦げてくると、その香りがかすてらに移って、かすてらのあの良い香りに変わるんです。本枠や灰枠(蓋の役割をする枠です)に張ってある紙は砂糖や小麦粉が入っていた丈夫な袋を切って使います。紙を張る糊も毎回、小麦粉を水で溶かして火にかけて作ります。かすてら作る為にまず糊を炊くことからはじめるわけです。

先日も台所を占領されて手持ち無沙汰になった母が、聞いてきました。

「ケーキ作るのとどっちが大変なの?」

「かすてら!」

「どっちが楽しいの?」

「ケーキとかすてら、どっちも別物だからねぇ。比較にならん。」

ただ、かすてら焼いている時、頭の中は真っ白になってます。多分、かすてらの事以外何も考えてないように思います。焼き終わると疲れてるけどなんだかすっきりします。

作り手にとっては非常にメンタルなお菓子かな?でも食べる人にとっては地味だけれど優しい味であってほしいなぁ。嬉しいときはもちろんだけれど、ちょっと寂しかったり、つらかったり、とてもとても悲しいときに、口にいれると少しだけ心が和む、そんなお菓子でありたいなぁと思っております。

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かすてら週間

昨日は日曜日で私は休みだったけれど、羊さんは出勤。そういう日もあります。羊さんを仕事場に追い立てたあと、私は支度をして実家へ出勤。かすてらの注文が重なったので、焼かねばなるまい。

実家のオーブンならびにキッチンを占領してしまうので、母と自分の昼食用に川崎のラゾーナでお弁当を買う。母の分も今日はショバ代として私が払うことになるからなぁ・・・。鰻弁当をぐっとがまんして、米八さんのお手頃なおこわのお弁当を選びました。

さて、かすてらを焼いているところをデジカメで撮って、ブログでお披露目~なんて思ったりもしたのですが、実際作業を始めるとそんなゆとりはございません。昼食を挟んで2枚焼いたのですが、うーむ。

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撮った画像はこれだけ。焼きたてのホヤホヤでございます。

今週はかすてら週間。実は私の所属している会での秋の新人加入記念品評会が17日にあります。これには私は参加資格がないのですが(なにしろ、すでにタイトル保持者なもので・・・。)参考出品&オブザーバーとして審査に立ち会わなければなりません。これってかえってすごいプレッシャー!新人の皆様に「初代名人!」の実力をお見せしなければならないってことです。まぐれでタイトル保持者になっちまった身にはつらいお役目です。

そんなわけでご注文も入っていることですし、今週のお休みは全てかすてら作りに費やされます。ブログもかすてら週間になること思います。

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先日の台風の翌朝、こんなちっちゃいお客様がうちのマンションの壁にはりついておりました。

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篁流かすてら会

Kasutera

19日、私が所属している「篁流かすてら研究会」の春の品評会は、私が額に汗して某百貨店で働いているうちに盛大に開催されたようです。

この品評会の話をするたびに「世の中にはいろいろな世界があるもんだ」と半ばあきれられるのですが、真っ白なテーブルクロスが敷かれた台上にそれぞれ番号が振られた出品かすてらが並び、そのかすてらの断面図を会員の皆さんがじぃっと観賞するんです。

切り口は美しいか、表面の照り、艶、を判断し、かすてらの断面から肌理と気泡の入り方がどうなっているのか、各ポイントを押さえながら審査していきます。最近はちゃんと試食用に1センチ角くらいに切った「かすてら」が添えられるようになったので、それぞれ水の入った紙コップを片手に、「これは!」と思った「かすてら」を試食してまわります

全部の「かすてら」を試食してまわるととんでもない量になってしまうので、やはり外見で凡その判定をつけておいて、迷ったときに食べて決めるわけです。良い「かすてら」は口に含んだときすっと溶けるような食感であること、後口が上品であること、などが求められます。

ね、マニアックな世界でしょ?

作るより審査するほうが実は大変なんです。自分なりの「かすてら」の基準が出来てないと、大量の「かすてら」の前で途方にくれてしまいますもの。

でもこうして品評会に出続けて、人様の「かすてら」(研究会の人全員同じ配合、同じ基本の焼き方をベースに焼いています。抹茶かすてらなんて無しヨ)を見て、食べて、話をすることで自分の「かすてら」を改めて見直すことができるのです。そういう意味では、今回出席できなかったことが本当に残念。

実は今回の品評会、欠席していた私が第一席を取ったのですが、自分が焼いた「かすてら」、焼いた直後に型から出した状態で、先生にお預けしていったので、自分で断面を見ていない!食べてないし!

焼きの後半30分、10度オーブンの温度を下げてみたのがどう影響したのか、とかいろいろ自分なりにチェック項目があったのに。結果が良かったと知っただけに、自分の「かすてら」断面を見てみたかった・・。

Hakoiri 嬉しいけど、悔いの残る春の品評会でした。

次は秋の品評会!

マニアックな世界は続く・・・・。

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